2016年08月29日



無題

谷崎潤一郎の細雪(上)を青空文庫で読みました。恥ずかしながら未読でした。それにしてもいい時代になりましたね。ただで文豪の名作が読めるとは。本屋さんがなくなっていくはずですね。
青空文庫では以前から安吾とか読んでいました。そのときの不満は横書きで日本の小説を実際の本で読むのとは雰囲気が無いというかちょっとちがうなあと感じていました。ところが久しぶりに青空文庫をのぞくとなんと縦書きでご丁寧にページをめくるスタイルになっているではありませんか。早速細雪を読みだして結構実際の本を読んでいる雰囲気で以前の横書きの違和感がずいぶんとなくなりました。ただ本を手にした感触、紙の手触り匂いはありません。今や電車で新聞を読んでいる私のような人間は絶滅危惧種ですからいずれ小説もPCやスマホで読むのが当たり前になるんでしょう。閑話休題、細雪ですが私は大阪生まれなので舞台になっている芦屋、神戸、船場などよくわかるので戦前の話ですがなかなか面白く読めました。没落した船場の商家の四姉妹の話ですが婚期の遅れた三女の雪子さんのお見合いの顛末が話の中心です。谷崎は細雪を発表したんですが太平洋戦争中で時局にふさわしくないと発禁になってしまいます。私家版も発禁になってしまいますが執筆を続け、戦後に発表しています。谷崎なりの反戦の意思表示でしょう。まだ、中、下編が文庫に入っていないので続きをすぐ読めませんが
気長に待ちます。古い作家の小説など読みたくなったら青空文庫でどうぞ。

(13:43)

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