2019年12月19日



 
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 最近読んだ本です。ここ三年程、和歌が面白くて気になるようになりました。中学、高校の頃は古文には全く興味がありませんでした。当然ながら成績も悪くていつも欠点すれすれでした。ところが、人間変われば変わるもので随分と好きになりました。きっかけはたまたま読んだ雑誌です。三夕の和歌を紹介していました。三夕とは、西行、寂連、定家のそれぞれ夕暮れを詠んだ和歌です。何れも秋の夕暮れで終わります。それぞれに味わい深くいいです。なかでも定家の  

みわたせば 花も紅葉も なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ

を読んでいたく感動しました。桜も紅葉も無い、淋しい浜の掘立小屋が夕暮れの中、色を失くしていくという情景がなんとも映像的です。秋の夕暮れ時、空も海も浜辺もモノトーンになって日が暮れていく、何とも侘しい時間です。大袈裟に言えば人生の無常を感じます。それまでは和歌と言えば、落語に出てくる「ちはやぶる」と「瀬をはやみく」らいしか知りませんでした。が、この歌で和歌の表現力を教えられました。で、この本ですが写真が多く読みやすい本です。和歌に詳しい方もあまり知らない方もどちらでも楽しめます。お勧めです。

(17:50)

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