2020年03月15日



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 今、読んでいる本です。中国東北部(いわゆる満州、内モンゴル)を舞台にしたロシア、清、日本の利権争いを鉄道を通して描いています。更に英、仏、米もなにかとちょっかいを出してきます。日清戦争、日露戦争、満州事変、日中戦争、太平洋戦争と長々と戦争が続きました。むき出しの帝国主義のぶつかり合いです。満州事変に関する本は何冊か読みましたが、その以前のロシアが鉄道を中心に進出していた事などはこの本でよく解りました。日本は日露戦争に勝利して賠償として南満州鉄道を得ます。考えてみたら、鉄道がそこに自然にあるはずもなく誰かが何かの目的で作った訳です。ロシアにしたら苦労して敷設した鉄道をぶんどられたのは腹に据えかねたでしょう。清は清でロシアとの不平等条約で長年苦しめられました。日本は日本で国際社会から満州、中国から手を引けといわれても無視を続け孤立化し挙句の果ては成算の無い戦争に突入しました。とどのつまりは無条件降伏です。明治維新からの積年の矛盾を敗戦、占領で一気にリセットしたようなもんです。私は将来の為には過去に学ぶべきだと思います。そのためには特に東アジアの近現代史は大事です。ところがなかなか学校では教えてもらえません。この本は満州の通史として優れていると思います。東アジアの近現代史に興味のある方は是非ご一読ください。

(18:39)

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