素材

2019年06月10日



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 床の間の地板をお作りしました。長さ2800mm、幅790mmです。材はタブノキ、拭き漆仕上げです。本来ならケヤキやマツ、栃などの一枚板で作るものです。が、そうなると随分と高価なものになってしまいます。旧知の女流建築家、菅家克子さんから予算を考えて提案してください と相談を受けました。早い話がお安く作ってという事です。ちょうど数年前に原木で買ったタブノキの3mの材があったので矧ぎ合わせればいけるなとお受けしました。本当は2枚矧ぎでいきたかったんですが、少し幅が足らなく3枚矧ぎでお作りしました。


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仕上げは拭き漆です。この時期、温度も湿度も漆の乾燥には最適です。漆は溶剤や水分が蒸発して乾くのでは無くウルシオールというポリマー(高分子化合物)が酸化重合して乾燥します。その過程で水分が必要です。拭き漆に使う生漆には水分も含まれているので黒漆や朱漆よりは乾きやすいのです。お椀のような小差な物なら風呂という木製の大きな箱に入れて乾燥させます。内部は湿らせます。乾燥もしやすいし埃も付きません。ところがこんな大きな板を入れる箱を作るのも大変です。仕事場を掃除して埃が立ちにくくして、乾燥の早い漆で拭きました。



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けっこう杢があるので漆が透けてくると(紫外線に当たると透けてきます)杢がきれいに出てくると思います。色々としつらえして楽しまれたらいいですね。

(13:17)

2018年09月01日


 長い間木工と漆の仕事をしています。その間には色々な変化がありました。で、漆の話です。大学で漆を習ったころは丈夫な紙製の桶に渋紙の蓋、押さえるタガは竹製でした。それがビニールの蓋にプラスチックのタガにかわりました。ところがプラスチックが弱くてすぐに折れてしまいます。それで最近はサランラップを2枚重ねにして蓋にしていました。

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これは1kg入りの桶です。500g、2kg、4kg入りがあります。桶もいいのですが蓋をきちんとしないと漆が乾いてしまいます。

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 こちらは金属製のチューブ入りです。これは200g入りです。チューブ入りは便利ですが漆の成分が分離しているようで余り使いませんでした。桶の中を上下ヘラでかき混ぜてから使うほうが確かですから。

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ところが最近は新しいタイプの容器が出来ました。漆屋のご主人はアルミと言われたけれど樹脂にアルミをコーティングした物のようです。これなら使う前に手で揉めば漆もよく混ざっていい具合です。


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 500g入りです。今後は桶からこちらに切り替えます。便利になったもんです。 

(13:33)