家具
2021年04月10日

大阪の画廊、コウイチファインアーツさんの備品のテーブルとベンチの漆を拭き直しました。もう20年近く画廊でお客様の応接にお使いでした。今年初めに移転されたんですが新しい所には少し大きすぎるので新婚のお嬢さんに譲られました。二十代の若いご夫婦なんで拭き漆のクラシカルな家具はどうなんかなあと思いましたが譲られるのをすごく喜んでくれたそうです。私もそれを聞いて嬉しくなりました。経年変化で漆が薄くなって板も反ったりしていたのをお直ししました。テーブルの天板は反りも傷もあったので一度全部削って平面を出しました。ちなみに栃の一枚板です。ベンチはヤマザクラ材です。座は贅沢にも一枚板です。座面にどうしたらこんな深い傷が付くんやと思うような傷もありました。全面に磨いて、たっぷりと拭き漆を施しました。


新築のマンションのリビングでお使いになります。明るい部屋でも以外と違和感なく収まっています。数年すれば漆も透けてきて馴染んでくると思います。

岡田さん、お嬢さん、そのお子さんと世代を繋いで使って頂ければ木工家としては最高の喜びです。ニトリもいいけどいいモノを末永く使う方がもっといいです。残したいと思えるような物を作らねばと思います。
2018年08月16日
蓼科での木工ワークショップが終わりました。5日から12日間の長丁場でいささか疲れました。今日の蓼科は朝から雨で結局一日降ったりやんだりでした。気温も上がらず長袖のワークシャツを来ていました。生徒さんも少なめでちょうどいい加減でした。

これは昨日作られた四本脚のスツールです。座はヤマザクラ、脚はブナです。脚を接着して楔を入れたところまでで終了しました。今日中に仕上げてオイルを塗って明日取りにきてもらいます。シニアの男性が生徒さんなのである程度説明すればご自身で作業をしてもらえるので楽です。一応小学校高学年からになっています。ところが兄弟、姉妹の上がすると下もやりたがるんですねえ。お父さんやお母さんと一緒にしてもらいますが小さいお子さんの相手は大変です。とりあえず褒めることにしています。
出来上がったら、彫刻刀でお名前を入れるんですがやはりキラキラネームが多いですねえ。それでも、昨日来られた姉妹は千鶴と茜というお名前でなにかほっとしました。なんでもお母さんもお父さんも難読名前で分かりやすい名前にされたそうです。逆に小学校や幼稚園では新鮮に感じられているそうでよかったとおっしゃっていました。明日、片づけて明後日昼過ぎに帰洛する予定です。19日は大阪での現場仕事が待っています。それがすめば少しだけですがゆっくり出来そうです。
2017年12月25日
2016年03月09日

お施主さんがオーディオマニアでしっかりしたラックが欲しいというご希望でした。
W1750 H610 D520です。ナラ材の30mm厚としっかりしたものです。オイル仕上げです。

国産のナラ材は枯渇してこれもロシア材です。木工を始めたころはまだ国産材もあったんですが使い果たしたということでしょう。ロシア材や北米のホワイトオークやレッドオーク材を使わざるをえないでしょう。

このナラは程々の硬さで仕事もしやすく木目も綺麗でした。ホゾ組はドイツの電動工具メーカー、フェスツールのドミノです。この工具がなかなか優秀なんですが、改めてアップします。

結構な重さになりました。レコードも聴かれるので振動対策には効くでしょう。
スピーカーはB&Wを使われているそうです。
新築の家で音楽を聴くのはいいでしょうね。
2015年12月07日
2014年10月17日

部屋は四畳半の琉球畳敷です。床の間が無いのでちょっとお花を飾ったりするのに
置床が欲しいということでお作りしました。

キハダはミカン科の樹でゴワゴワした外皮の下は鮮やかな黄色です。この黄色い部分が胃腸にいいそうです。吉野の陀羅尼助の原料です。もう20年近く前に、安房峠を車で越えた時 (ちょうど、安房トンネルの工事をしていました。)地元の方が 倒木の外皮を剥いているのに出会いました。これはキハダで一年の内、夏の二週間ほどしかきれいに剥けないんだとおっしゃていました。それまで材木市ではキハダの材は
見たこともあったんですが、薬の原料として思った事もなかったのでいまでもよく覚えています。そんなふうに自然の物を利用してきたんだなあと考えさせられました。

これは直径45㎝位の木を縦半分に切って柾で耳付きで使っています。
シラタが黄色いです。なめるとお腹痛が治るかも・・・

こじゃれた置床が出来ました。
2014年05月21日
ケヤキ材の置き床です。W600 D200 H65です。左端の丸棒はローズウッドです。
拭漆です。狭い和室で花を活けたり、人形を飾ったりに使ってほしいですね。
もちろんテーブルの上でもいいと思います。

お問い合わせ moonlove10000@gmail.com まで
2013年08月01日
2012年10月04日
2012年02月05日
2011年02月20日
2011年01月28日
2011年01月12日

欅の置床です。W1600 D400 H60とかなり大きいです。右端に白く
見えるのは白蝶貝の象嵌です。拭き漆仕上げです。
兜を飾りたいという方に買っていただきました。
最近は床の間のない家が多いのでお花や焼き物など飾りたいとき重宝
するかもしれません。
木目のカーブに合わせて前面をカーブさせました。直径1メーター位の
原木から取った材です。柾目で40センチの幅をとるためにはそれぐらい太い
木でないと取れません。木工のプロの人がこれを見て感心していました。
材の形からデザインが決まった作品です。木工の醍醐味ですね。
木は天然素材です。長さは比較的融通がききますが、幅は制約が多い
です。その中で木の形と木目を見ながらデザインを考えます。難しいけれど
楽しい時間です。一度切るとどうしようもないんで迷うときもありますね。
もちろん経済性も考えないといけません。
この材は買ったときにカーブした置床にしようと考えました。出来上がりの
イメージがありましたね。そういうときはいい物になることが多いようです。
数年前の作品ですが、久しぶりに画像をみて、また置床作りたくなりました。
BGM
シューベルト ピアノ五重奏曲 イ長調D.667 ます
ウイーン八重奏団のメンバー
ピアノ サー、クリフォード、カーソン
古い録音ですが(多分60年代)、音はそれほど悪くありません。
アナログぽくていいです。
演奏もウィーンの名手ぞろいで楽しめます。ポピュラーな曲ですが
私も好きです。
2010年12月20日
小さな椅子です。もちろん、座れますがオブジェに近いですね。
材はやまざくら、拭き漆仕上げです。メキシコあわびと白蝶貝の象嵌入り
です。
W400 D460 H810 SH430です。象嵌」で縦にならんでいる丸と菱形
がメキシコあわびです。菱形の左右の丸が白蝶貝です。あわびは北米のメキシコ
湾で、白蝶はフィリッピン近海産です。あわびは少し青みがかった色です。
あわびでも白蝶でもただの貝殻です。それがどうしてこんなに綺麗である
必要があるのか?進化の過程で貝自身は一番効率よく貝殻を成長させる
道を選択しているはずです。
その結果、人間が美しいと感じる貝殻にたどり着いたわけです。
そして、なぜ人はメキシコあわびの貝殻を綺麗だと認識するのか?
大阪のおばちゃんでなくても、人は光ものが好きなんでしょうか?
多分、縄文人も好きだったと思います。正倉院の御物にも螺鈿はたくさん
あります。
それにしても、拭き漆に螺鈿は合いますね。
やまざくらは好きな材のひとつです。乾燥すれば、寸法安定性もいいし
刃物切れもいいです。逆目もきつくないので鉋がけも楽です。しかも
桜餅の香りがします。ただ、大径の材はあまりないですね。私の自慢で
4メーターで幅80センチ、あつさ12センチの板(ばん)をもってます。
普通は直径60センチくらいが最大ですね。樹としての桜は欅なんかに
くらべると寿命が短いようです。ちなみにこの椅子の座は一枚板です。
幅、40センチです。幅広の材は貴重です。大事にして、いい物を作りたい
です。
今日のBGM
Wolfgang Amadeus Mozart
Requiem d-moll KV 626
Wiener philharmoniker
KARL BOHM
2010年12月17日
以前に製作したダイニングセットです。テーブルは栃の一枚板です。
節があるけれど木目の綺麗な板です。椅子は山桜です。オイルフィニッシュ
です。テーブルのサイズはw2200 D800 H700 です。
椅子はW450D550H920SH420です。
奈良の歴史のある神社の社務所兼住宅に納めました。
生活の中心として使っていただいてます。
大きいテーブルは家具のなかでもコストパフォーマンスが高いと思います。
朝、昼、晩と食事に使い、友人とお茶をし、子供が勉強し、時には宴会
もできます。車みたいにガソリンも税金もいりません。しかも親子何代
にも渡って使えます。心豊かに暮らせます。
今日のBGM
Bruckner Symhony No,4 in E flat Romantic
wiener philharmoniker
Bernart Haitink
ブルックナーはいいですね。飛行船に乗ってヨーロッパアルプス
を眺めているような気がします。最初、なんか脈絡のない音楽だ
なあと思ったんだけど 脈絡や辻褄はいらないんですね。
その瞬間、瞬間の音楽を感じればいいんだと気づいてからすごく
好きに なりました。
2010年12月15日
2010年12月06日
豊橋は初めてです。阿久津さんの設計された家に小さい
キャビネットを納品してきました。

外観です。茶色の部分は杉板です。平成元年の竣工で、今年、大掛かりなリフォームをしたそうです。たまたま、京都の阿久津さん、小笠原さんの建築二人展でこの家の奥様とお会いしました。ご主人のこまごました物をしまえる家具があればと相談をうけました。メールと手紙のやり取りで打ち合わせして、3段の引き出し付きの小さなキャビネットを作ることになりました。奥様は高校の先生をされています。リフォームの記念に元同僚の美術の先生に作品を作ってもらったそうです。偶然、その先生が私の大学の先輩でした。私が入学した年に大学院にすすんでおられました。学内ですれちがってたはずです。そんなご縁もあって、当日、リフォームと先輩の作品のお披露目を兼ねての集まりに私も招待していただきました。

村田千秋さんの作品です。W450 D100 H1200 くらいです。
素材はアルミ、ガラス、木、粘土、真鍮です。繊細で綺麗な作品です。
写真が下手ですみません。ガラスの粒が7個表面にあるんですが、わかりません。

これは何に見えますか? 実はドライミストのノズルです。奥様がクーラー
嫌いでそれに変わるものとして設置されました。家庭用の小型の物もあるんだそうです。ポンプとホースとノズルだけの思ったより簡単な装置です。気化熱で涼しくなるそうです。今年の夏、高速のサービスエリアで見かけたものと同じメーカーです。

ドライミストの双葉リースの大阪支店長さん(スーツの方)と阿久津さんです。ご馳走が見えますね。私は運転があるので、シャンパンもワインも
飲めませんでした。残念。

納品したキャビネットとご夫妻で記念撮影です。愛用してくださいね。
材は胡桃でオイル仕上げです。

阿久津さんとチビちゃんです。可愛いですね。

阿久津さんが設計された賃貸アパート?です。すっきりといいデザインです。日本にももっとこんな建物が増えるといいですね。

エントランスです。
今回、たまたま、阿久津さん小笠原さんの二人展に飛び入りで
参加させてもらったことでご縁がつながりました。
また、大学の先輩の村田さんともお会い出来ました。
村田さんにも芸大OBに豊橋で初めて会ったと喜んでもらえました。
同窓生は歳をとるほどいいものです。
皆さんに感謝、感謝です。
今日のBGM
D,Syostakovich
Symphony no.10
Berlin Philharmonic Orchestra
Herbert Von Karajan