音楽
2020年12月30日
2020年12月19日
立命館大学交響楽団の定期演奏会に行きました。コントラバスを弾く学生さんと知り合いになって是非聴きに来てくださいとのお誘いを受けました。会場は京都コンサートホールの大ホールです。コロナになってコンサートも軒並み中止になったので大方一年ぶりのコンサートホールです。ソーシャルディスタンスで座席は一つおきでした。入場料は700円でした。プログラム前半はシベリウスのフィンランディア、ドヴォルザークのチェコ組曲。休憩が15分あって後半はドヴォルザークの交響曲7番でした。開演前にプログラムのメンバー紹介を見ると女性が多くてびっくりしました。コンマスも女性でした。知人のコントラバス君は1回生なので前半に登場です。最初のフィンランディアは皆さんやや緊張気味のようでした。チェコ組曲からは緊張もほぐれたようで皆さん一生懸命演奏されていました。私はクラシック音楽大好きですが、ひくのは布団、吹くのはホラのもっぱら聴くだけなのでみんなで音楽を作り上げてゆく様子を見ていて心底羨ましくなりました。演奏はタテが揃っていなかったり音を外したりもありましたが案外レベルが高いなあと思いました。何より若い人の一生懸命の様子が好感が持てました。後半の7番が終わってファゴットの男の子が泣いているような仕草を見せていました。多分4回生で学生最後のコンサートなんかなあと思いました。今年はコロナで知人の学生さんも学校に行くことすらかなわず、練習もろくに出来なかっただろうし大変だったと思います。同志社、京大の学生オーケストラも公演中止と聴きました。来年は普通に公演が出来るといいなと心から思いました。若い人のエネルギーを頂いたようで暖かい気持ちで帰路につきました。
(17:33)
2020年03月25日
楽しみにしていた月末の京響定期がコロナでキャンセルになりました。来月以降はどうなんかなと京響のHPを見ると無観客公演をライブ配信するそうです。28日(土)2時30分からです。プログラムはシューベルトの5番、マーラー4番です。嬉しいですね。
指揮の広上淳一さんです。
森谷真理さんです。おととし、びわ湖リングのジークリンデを聴きました。今年の神々でもグートルーネを歌われていました。ルックス良し、歌唱良しのソプラノです。今年はランメルモールのルチアのルチアを歌われます。狂乱の場が有名な難役です。残念ながら東京での公演です。何か仕事を作って行きたいですね。そのころにはコロナも落ち着いているでしょう。とりあえずは28日の配信が楽しみです。カーテンコールというサイトを開いてメールアドレスを登録すれば見られます。是非、ご覧ください。
(07:53)
2020年03月21日
京響の3月定期公演がコロナウイルスで中止になりました。なかなか決まらなかったんですが19日の専門家会議の結果を踏まえての決定だったようです。あまり演奏されないマーラーの4番だったので楽しみにしていたんで残念です。終楽章に入るソプラノ独唱は森谷真理さんの予定 でした。
美人です。が、この画像ちょっと前のものです。今はもう少しふっくらされています。私は一昨年のびわ湖リングのワルキューレでのジークリンデで実演にふれました。その時はお名前も存じ上げていませんでした。上手やなあと思いました。今年の神々でも2日目のグートルーネで出演されていました。こちらはライブストリーミングで観ました。マーラー4番ではお一人で歌われるので楽しみにしていたんですがウイルスには勝てません。またの機会を楽しみにしておきます。
(18:32)
2020年03月08日
びわ湖ホールの神々の黄昏 を見ました。公演は中止になったんですが、急遽無観客で行ってYOU TUBEでのライブヴューイングを行う事になりました。公演が迫っての中止だったんで準備万端ととのっていたんでしょう。配信ででも見られたのは良かったんですが、やっぱり劇場で観たかったなあと何回も思いました。
このオペラ、とにかく長いんで観る方も大変です。1時から30分の休憩を2回挟んで終わったのは7時前でした。劇場だと椅子に掛けてそんなに体も動かさないし疲れます。唯一、ライブヴューイングでよかったのはコーヒーを飲んだり、かりんとうをかじりながら見られる事です。
ニーベルングの指輪は一応、主役はジークフリートとブリュンヒルデです。しかし神々の黄昏はハーゲンを中心に物語が進みます。こいつがなかなかの悪人です。指輪を自分のモノにするために悪だくみを企て、とうとうジークフリートを殺してしまいます。今回はジークフリートとブリュンヒルデは海外の歌手でしたが、ハーゲンは日本人の妻屋さんが演じていました。この人、190cmちかい長身で舞台映えします。バリトンの声もいいです。以前に、魔弾の射手の隠者、アイーダの司祭長を聴きました。ハーゲンもよかったです。上の画像の右端の人です。ジークフリートのテノールは大したことなく、ブリュンヒルデのソプラノはまあまあでした。ライブヴューイング自体はカメラ一台で舞台全体を映し、ズームも場面転換もありませんでした。あまり凝ったカメラワークで気が散らずこれはこれでいいなと思いました。ただ残念な事に、字幕がありませんでした。3幕の初めに一瞬字幕のプロジェクターが映りこんでいました。画面の端っこにでもなんとか入れられなかったんでしょうか?終演後のカーテンコールもありました。思わず画面に向かって思い切り拍手してしまいました。まあ欲を言えばきりがありませんが、こんな形でも公演が観られたのは良かったと思います。関係者のみなさんには感謝しかありません。とにかく新型コロナウイルスが早く終息して欲しいです。皆さんも免疫力をアップして乗り切りましょう。(画像はパソコンの画面を写したものです)
(17:35)
2020年03月05日
2020年02月29日
最近の新型肺炎騒ぎで3月7日~8日の公演が中止になりました。一昨々年から始まったびわ湖リングのフィナーレを飾るはずだったんですが・・・残念です。延期では無く中止です。来年の同じ時期に公演するというのも難しいんでしょうか?最近は YOU TUBEでクナッパ―ツブッシュの1951年バイロイトライブを聴いて予習に励んでいたんですが、とにかく残念です。
この音源、51年の録音にしたら音質がいいです。勿論、モノラルです。第二次大戦後のバイロイト音楽祭が再開された年の記念碑的公演です。1930年代初めからのナチス時代の悪夢のような20年間を体験した人々がどんな気持ちでこの公演を聴いたのか感慨深いものがあります。ワーグナーの音楽はナチスのプロパガンダにも利用されました。音楽に罪はありません。(ちなみに今でもイスラエルではワーグナー作品はほぼ上演されません。)しかし、芸術はそれだけでは存在出来ません。受容する大衆との関係性を意識することも必要なんでしょう。
(15:25)
2020年01月04日
ウィーンフィルのニューイヤーコンサートを見ました。今や、すっかり元旦の風物詩です。もしかして俳句の季語にもなっているんでしょうか?今年は今売り出しのアンドレアス、ネルソンさんが指揮者でした。40デコボコの若い指揮者ですがいい出来でした。ラストは例によって美しき青きドナウとラディツキー行進曲です。青きドナウ を聴くと反射的に思い浮かぶのが2001年宇宙の旅の地球から月に向かうシャトルがステーションに到着するシーンです。映画は冒頭から原人の群れの描写が続きます。そこにモノリスが現れて原人が道具を使い出す事を暗喩しています。原人の一人が空中に放り投げた獣の骨が宇宙空間のシャトルに変わります。月面で発見されたモノリスの調査に向かう科学者が乗っています。地球と月を周回している宇宙ステーションとの間に定期航路があります。航空?会社はパンナムです。ステーションは重力を発生させるために回転しています。中心の発着場に入るためにシャトルが機体を回転させてステーションと同期して着陸します。その特撮の美しさと、リアルさに圧倒されました。50年前のsくひんとは思えません。2001年宇宙の旅は特撮技術と内容の深さで永遠のSF映画の金字塔です。まだ見られて無い方、必見です。
(18:03)
2019年12月24日
2019年12月15日
シューマンの交響曲3番を繰り返し聴いています。クーベリック指揮、ベルリンフィルのCDです。実はシューマンは殆ど聴いたことが無くてちゃんと聴くのは初めてです。と言うのも随分と前になりますが、朝比奈先生がなにかのインタビューでシューマンは箸にも棒にも掛からんとかおっしゃっていたのを読んでそうかシューマンは大した事ないんかと刷り込まれてしまいました。で、来年の京響の新春コンサートがシューマンプログラムでピアノコンチェルトと3番なのです、シューマン好きの友人に引かれて善光寺参りならぬシューマン参りです。
3番、いわゆるラインですね。一楽章冒頭はさすがに聴き憶えがありました。5楽章あるんですが、それぞれの楽章の主題がはっきりしていて非常に分かりやすいです。明るく、分かりやすく、いかにも新年にふさわしいプログラムです。時間もそう長くも無く御屠蘇気分で聴くにはいいでしょう。
(14:45)
2019年07月15日
2019年06月03日
ジョン、アダムスのヴァイオリンコンチェルトを聴きました。アダムスは現存のアメリカの作曲家です。グラスとかライヒのミニマルミュージック(同じ音型が延々と続きますが、少しずつ変わっていきます)の影響を受けています。無調(メロディーが無い)では無く調性もあって現代音楽の中では聴きやすいほうです。昨年、京響の定期でベートーヴェンのピアノコンチェルト5番(皇帝)とアダムスの曲との組み合わせを聴きました。前半の皇帝は女性のピアニストでやや線の細いスマートな皇帝でした。アダムスのほうはダイナミックで聴きやすい音楽で多いに楽しめました。それでもアダムスが始まると席を立たれた方が数人いらっしゃったのでもったいないなあと思いました。芸術大学で学んでいたころは現代美術が元気な頃で何でもありの時代でしたから訳の分からないモノにも免疫があります。自分の知らない世界に触れるのはある種快楽だと思うんですがねえ・・以前に知人数人と抽象絵画を見た時にあるご婦人がこの絵はどういうふうに見たらいいのと聞かれました。そんなの好きに見てください。この色が綺麗だとか形が面白いとかそんなんでいいですよと言ったんですがもひとつ得心がいかない様子でした。風景画や人物画のように一目でわかるものがいいんでしょうね。分からないけどきれいとか面白いとか感じる心をずーっと持っていたいですね。
(09:37)
2019年05月20日
上の画像、ワルキューレの面々です。左から二人目がブリュンヒルデです。という訳で今回はMETのライブヴューイング のお話です。METはアメリカはニューヨークのメトロポリタン歌劇場の略です。ライブヴューイングはオペラの公演を映像化したものです。以前からあるのは知っていたんですが今回は私の好きなワーグナーのワルキューレという事で観に行きました。
早い話がオペラ公演をそのまま映画化したものです。随分と前にドミンゴとリッチャレリのオテロの映画版を見ました。こちらは公演の映像化では無く本当の映画仕立てでなかなかよく出来ていました。冒頭の嵐のシーンなど今でも覚えています。映画版ではライモンディ―のドン、ジョバンニも見ました。こちらもよかったです。オペラ公演の映像はDVDや衛星放送では見たことがありましたが、映画館の大画面で観るのはやはりいいですね。音はいささか人工的ですが仕方ないですね。さて肝心の内容ですが第一幕のジークリンデ、ジークムントどちらもなかなかいいなと思いました。ジークリンデのソプラノはルックスも薄幸の女性っぽくて役にあっていました。ジークムントのテノールは声はいいんですがビヤ樽のような立派なお体でちょっと見た目が・・・春風が吹いて云云かんぬんのアリアもよかったです。それにしても双子の男女が高らかに愛だの結婚だのと歌い上げるのはええんかなあといつも思ってしまいます。で、第二幕、第三幕と続きます。ブリュンヒルデもヴォータンも歌もそこそこでで楽しめました。METのライブヴューイングは初めて観たんですがいいなと思いました。出演者の表情までよく分って劇場とはまた別の物ですね。音響面は善かれ悪しかれ映画です。やはりデジタルっぽいです。
座席も快適でした。これからはいい演目を選んで足を運びたいと思います。
(17:16)
2019年02月18日
先週の金曜日に京響定期を聴きました。ラフマニノフのピアノコンチェルト2番と交響曲3番です。
コンチェルトの2番は人気のある曲ですね。ただ、私はあまり興味が無くCDも持っていません。ソリストは小山実稚恵さんです。指揮は秋山和慶さんです。素晴らしい演奏でしたが、コンチェルトは私には甘ったる過ぎました。交響曲3番のほうが面白く聴けました。コンチェルトはロマン派ど真ん中の感じですがシンフォニーはリズムを強調した部分もあって少しモダンな印象で面白く聴けました。コンチェルトは1900~1901年、シンフォニー3番は1936年頃と35年間の時間的隔たりがあります。ラフマニノフ自身もロシア革命の混乱を逃れてヨーロッパからアメリカに渡ります。結局、生涯ロシアには帰れませんでした。20世紀の初めは激動の時代です。ロシア革命、第一次世界大戦、アメリカの大恐慌、日本の大陸進出、ヒトラーの台頭と次から次へと起こります。ラフマニノフも時代に翻弄された人です。アメリカではコンサートピアニストとして随分成功したようです。そのせいか多忙で殆ど作曲活動は行っていません。ロシアで平穏に暮らせたら、もしかして傑作を残してくれたかもしれません。結局アメリカのビバリーヒルズで病死します。もう少し前ロマン派、全盛の頃に生まれていたら良かった人のように思います。そうは言っても人間、生まれる時代も場所も選べませんから・・・
ま、運命ですね。
(12:25)
2019年02月04日
METのライブヴューイングでワルキューレを上演します。METとはアメリカ、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場です。要するに舞台を映像化したものです。大体ねんに10本ほどMETでの公演を上演しています。今年のラインナップが発表されていますが定番の人気のあるタイトルが多いですね。例えば、椿姫、アドリア―ナ・ルクブルール、カルメン、連帯の娘、ワルキューレなどです。ワルキューレ は勿論行くつもりです。あと椿姫はダムラウがヴィオレッタを歌うので行ってもいいんですが、椿姫も舞台も何回か見たしCDも(クライバーの指揮したものです)いやっちゅうほど聴きましたからまあどっちでもいいです。アドリアーナはネトレプコがアドリアーナを歌うので行きます。ただ入場料が結構高くてレギュラーで3600円、ワルキューレは5100円と結構な金額です。長いとは言え映画ですからね。ちょっと考えてしまいます。見たら感想をアップします。
(19:10)
2019年01月30日
昨年から見たオペラ、魔弾の射手、アイーダ、タンホイザーにすべて出演されていたバス、バリトン歌手の妻屋さんです。多分日本人ではナンバーワンでしょう。声もいいしガタイもいいので(190㎝程ありそうです)舞台映えもします。以前からNHKのニューイヤーオペラコンサートの画像などではお見掛けして一度実演を観たいなあと思っていました。それがなんと三連発とはおかしなもんです。魔弾の隠者(領主も従順に従います)、アイーダの司祭長、タンホイザーの領主と威厳のある役が多かったです。バスはテノールに比べると地味な印象は否めませんがオペラには欠かせない存在です。これからもいろんな舞台で楽しませてもらいたいものです。
(17:37)
2019年01月22日
京響の定期に行きました。ブラームスのピアノコンチェルト1番と展覧会の絵(ラベル編曲版)です。前から8番目、中央ブロックの右端といういい席です。ソリストはゲルハルト、オピッツというドイツの方、指揮はマルク、アンドレ―エというスイスの方でした。ブラームスの1番は重々しい出だしで冒頭からブラームス節全開でした。ブラームスは何か持って回った感じであまり好きではありませんでした。それが、つい最近FMでシンフォニーの1番を聴いて案外いいなと思いました。それなりに綺麗なメロディーもあります。ピアノコンチェルトは2番はCDをもっているので耳に馴染みもありましたが1番は予習にユーチューブで数回聴いたくらいです。まあそれでも美味しい所もあるので楽しめましたがいささか長いですね。後半の展覧会の絵は金管大活躍で面白かったです。この曲冒頭、トランペットのソロで始まるんですが誤魔化しようがないので演奏者は大変やなあと思います。終演後には指揮者が真っ先に指さして盛大な拍手を貰っていました。演奏者は外国の方でしたが、終演後に嬉しそうに笑っておられたのが印象的でした。それにしても京響は女性メンバーが多いです。第一ヴァイオリンなんて殆ど女性ですね。今年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートを見ても女性メンバーをちらほらと見かけました。結構な事だと思います。たまに行くコンサートはいい気晴らしになります。今年も精々出かけたいものです。
(01:17)
2018年12月09日
スペインのソプラノ歌手、モンセラート、カバリエさんが今年の10月にお亡くなりになられたそうです。85歳だったそうです。全然知らなかったんですが、今日の朝の NHKFMの番組の特集で知りました。美声とテクニックを併せ持った素晴らしいソプラノでした。
スマホに変えてらじるらじるでNHKFMもクリアーに聴けるようになって色々なクラシック音楽番組を楽しめるようになりました。色々と試しても雑音だらけで聴けなかったラジオ放送がクリアに聴けるのでそれだけでもスマホにしてよかったです。何とか聴けたのは AMのNHKとKBS京都だけでしたから・・・ラジオがラジオ以外でも聴けるようになるとは考えもつきませんでした。初めてFMの試験放送を聴いてええ音やなあと感動したのを思い出します。本当に便利な世の中になりました。が、その分感動する心が劣化しているようにも思います。それでも昔には戻れません。人間の欲にはきりがありませんね。
カバリエさんの美声を2時間堪能しましたが一番よかったのはオッフェンバックのホフマン物語の中のアリア、舟歌「美しい夜、恋の夜」でした。ベルガンサさんとのデュエットです。以前から好きなアリアです。このお二人の演奏は最高でした。天上から聴こえてくるような音楽です。こんな音楽が聴けるなら生きている値打ちがあるなあと思います。芸術の力です。
(18:14)
2018年11月01日
今日のNHKFMのクラシックカフェ (午後からの方です。)はロシアの作曲家の特集でした。チャイコフスキーとか色々だったんですが最後がグラズノフのヴァイオリンコンチェルトでした。グラズノフはチャイコフスキーの一世代若い作曲家です。名前は知っていたんですが作品は初めて聴きました。ヴァイオリン独奏はドイツの若い女性奏者、ユリア、フィッシャーです。漆を塗りながら聴きました。一回くらいではなんとも言えませんが聴きやすい曲です。私のような素人でも展開が予想出来ました。悪く言えば凡庸、類型的で二十世紀の作品としたら古臭い印象です。(ファンの方すみません。)交響曲も沢山書いているので色々と聴いてみます。
(22:48)
2018年09月17日
いきなりの禿頭ですみません。今日のコンサートの指揮者、ミッチーこと井上道義さんです。
プログラムはホルストの惑星とショスタコーヴィッチの12番といういささか脈絡のない選曲です。井上さんはショスタコーヴィッチは以前からよくとりあげていらっしゃるので12番はまあわかります。普通は前半はソリストを呼んできてコンチェルトが定番です。入場料が2000円なので予算が無かったのかなあ。お客さんの入りは満員でした。( 京都市民も400人無料招待されていました。) で、演奏ですが前半の惑星は何か気の入っていないような感じです。1月に京響定期で聴いたほうがよかったです。(指揮者は中堅のイギリスの方でした。)後半のショスタコーヴィッチはなかなか気合の入った演奏で楽しめました。もっともこの曲1917年という副題からも分かるようにレーニンとロシア革命がテーマの標題音楽なのです。1961年のソヴィエト共産党大会で初演された曲なのである意味プロパガンダの為の作品です。ショスタコーヴィッチもサービス精神満点でド派手で盛り上がる曲になっています。フィナーレはティンパニと大太鼓が大活躍です。盛り上げるだけ盛り上げているんですが何か空疎に聞こえました。結局、ソヴィエト人民は皇帝の圧政からは逃れましたがスターリンの独裁に苦しみます。共産主義という壮大な実験も失敗します。70年の間、イデオロギーのせいでいかに沢山の人が苦しみ亡くなったか・・終演後、人間は何をしてきたんかなあと考えてしまいました。ショスタコーヴィッチの交響曲は純粋に音楽として素晴らしいと思います。しかし芸術と社会の関係とか色々と考えてしまいます。
(00:28)